Returning Again
An island where traces og rayer, travel and scenery remain

Sketches of Memory

「島と庭が描く、記憶の素描」
透きとおる海と重なり合う山並み、祈りの営みを伝える建造物や風習が残る島。この島にある家の庭には、風や光、水音、虫の声とともに、日々と自然と重なっていきます。軒先から広がる大きな庭が、ただ眺めるものではなく、誰かの笑い声、樹々や花、自然の音を通して、記憶を映す素描になります。庭にはどこか未完成の美しさがあり、島にゆっくりと流れる時間との調和の中で、忘れていた感覚やどこか懐かしい風景を思い出させてくれます。

「心がほどける時間」
庭を囲む塀や立木の合間を抜けて、部屋の窓から光が差し込む。手を入れる人の痕跡、自然との微かな調和、庭を歩く足音や植物の葉擦れが、時間の経過をそっと教えてくれます。ここでは、日常のかすかなひずみをほどき、近くにある見落としがちな豊かさに気付き、流れていた時の流れがそっとゆるやかに移り変わっていきます。多様な文化を受け入れ、営みを紡いできた島。此の家と庭も、記憶と光と風を受けとめながら、調和の中で生き続けています。

Return to Silence

「静けさへ還る」
海と山が織りなす深い青と緑、長い時をかけて息づく自然と恵み、祈りや往来の足跡や風景が残る上五島。島に流れる空気は、いつつで感じる静けさや懐かしさと、どこか響き合います。大切な時を過ごすために、幾度も還る島の家になりますように。

(Project member)

設計・監理・運営
坂口 佳明(設計機構ワークス)

施工
南建設

サウナ
株式会社 彩園

宿泊事業プロデュース
濵谷 洋次(水源)

アートディレクション/デザイン
久松 徹(YATAI Inc.)

写真
山田 聖也

アート
Yuki Yugawa